金剛沢社会学級

読み聞かせ講座

去る6月9日(火)、金剛沢小学校多目的室で「読み聞かせ講座」を行いました。金剛沢 小学校には有志の保護者による読み聞かせボランティアサークル『コスモス』があり、この講座は社会学級と『コスモス』との初めての共催講座でした。

講師には読み聞かせのベテランである横田重俊さんをお呼びしました。言わずと知れた 絵本と木のおもちゃ横田やのご主人です。今回は開放講座にしたこともあり、会場は50 人ほどの聴衆が集まりました。一般で読み聞かせに携わっている方も多く出席なさってい たので、横田やさんの一言でも聞き逃すまいと真剣な態度です。

実際の読み聞かせとユーモアをところどころにはさみながら、横田やさんの講演が行われ ました。まずは、読み聞かせというものがなかった時代から横田やさんの話しはゆっくりと 進みます。印刷術の歴史や心が風邪をひいたときの対処法、なんて読み聞かせには直接 関係ないように思われるかもしれませんが、最後にはなるほど、だから読み聞かせは必要 なんだと納得できるように終わるのですから、よっ、にくいよ、横田やさん! 少しおまけの時間として、読み聞かせにふさわしい絵本の紹介や、読み聞かせの際、聞き 手をひきつけるテクニックを教わりました。他にも絵本作家の本音や、お店に来たお客さんとのやりとりも興味深いものでした。 本講座は読み聞かせ関連者にとってはその活動を励行するものでありますし、そうでない 方にとっても内容の深いものであったと思います。「読んでもらっている子供の気持ちという ものを知ることができた」との声もありました。子育て講座としてもお勧めです。


▲ページトップ

防災講座

金剛沢社会学級の9月の講座は、太白消防署の鈴木誉郭(たかひろ)さんを講師にお呼びして、「家庭における地震対策」についてお話をしていただきました。

37年サイクルで起こると言われている宮城県沖地震。なんと、次に起こるまでにあと6年 しかない計算です。今日明日起きる!と言っても過言ではありません。 地震そのものは避けられないとしても、被害を最小限に食い止める方法はたくさんあります。 鈴木さんが強く薦めるのは、たとえ被災しても家が壊れていない限りは自宅で過ごすという方法です。 簡単に避難所に行ってはいけない。というのは、避難所の生活はプライベートがないため精神的な苦痛が大きいからです。そこからさらに、身体に悪影響を及ぼす可能性があります。一般に、水道・ガス・電気などのライフラインが復旧するには3日かかると言われています。この、3日間を自宅で過ごす方法に話の重点が置かれていました。講義の前にまずはアルファ米を炊いてみる事になりました。せっかく用意しておいても使えなければ仕方がない、ということで、段ボールに入った50食分の炊き込みご飯を作りますが、まずはお米と具材を混ぜ合わせないといけません。これには意外と力も必要でお手伝 いしてくださった方は、混ぜ終わる頃は汗だくでした。お疲れ様です。 混ぜ合わせたら、袋の内側に表示された印まで熱湯を入れて封をし、1時間ほどで出来上がりです。ただし、よりお米を長持ちさせたい場合は裏業があります。アルファ米が炊き上がるまでには、被災しても自宅で乗り切る方法について講義がありました。 飲料水・生活水の確保の仕方、あると便利な機材、保存に向いている食材、常備薬が 必要な方への対応、非常持ち出し袋に入れておいて欲しいもの、家族とはぐれてしまった場 合にどうするか、などなど。 今まで、持ち出し袋に何をどれだけ入れるのか?だけでずいぶん悩みましたが、3日間を乗 り切る!という明確な目標が分かると、どうすべきかよく分かってきます。短時間ですが、阪神大震災のビデオを見せていただきました。倒壊のシーンは後で作ったものだそうですが、その後の映像は本物だというのです。見たことはないけれど、空襲の後のようで怖ろしくなりました。子供には見せてはいけない事になっていると教えていただきました。 質疑応答のあとに、アルファ米をいただきました。ちょうどよい味加減でおいしかったです。非常食を食べているんだというような暗い気持ちにはなりませんでした。鈴木さんはとてもお話し上手で、あっという間の2時間でした。


▲ページトップ

子育て講演会

西多賀市民センターと金剛沢社会学級との共催講座も今年で3年目となりました。 今年は、利府町在住の福島玲子先生にシュタイナー教育学的に見た7歳から14歳の子供、特に8-9歳の児童のかかえる問題、またその対応について講演をいただきました。 福島先生は以前は小学校の教諭をしておいでで、ご長男の出産を機に退職され、シュタ イナーについて勉強されました。 現在はその教育論に基づいた子供のためのアトリエも開いておられます。1男2女のお母様です。人間を理解するために実にユニークな思想を発案したシュタイナーのお話を聞きたくて、学区周辺に住む方も福島先生の利府での講演会によく行かれるようです。 そんな福島先生を初めて社会学級でお呼びしてみましたが、シュタイナーの教育論を説くだけでなく、ご自身の教諭経験、子育て経験を踏まえて理解されたことを交え、楽しく、分りやすく話してくださいました。

ドイツのルドルフ・シュタイナーは人間の成長は7年ごとに大きな節目を迎えると考えました。 その7年というのは、人間の細胞がすべてつくり変えられる周期だそうです。0~7歳は体を育てる時期、 7~14歳は心を育てる時期、14歳~21歳は思考が育つ時期になるそうです。これから後の7年づつもそれぞれにテーマがあるのでしょうが、 今回は児童の年齢が対象です。0~7歳の体を育てる時期は「模倣」の時期にあたります。この期間に安全・安心な母親 の保護のもとに模倣を通して様々な経験をし、 体を成長させる形成力を身につけます。そして、歯が生え代わる6~7歳の時期に学ぶ準備が整ったということで小学校に入ります。 ところが、7歳になったからといって、いきなり周囲の大人の模倣ばかりしていた子供たち が、いきなりその模倣を捨て、 安全であった場所から出てひとりで生きていくわけではありません。 およそ2年生くらいの年齢までは、まだ模倣をひきずり、自分と他者の区別がつかない状態です。 それが、いろんな物事に対して、問い、違い、疑いを持ち始めるのが9歳ぐらいなのだそうです。このことは、子供自身にとってはかなり大変な問題で、自我の芽生えとともに、自分と母親は違う存在であるという認識、 ひいては自分と世界との分離にあたるそうです。

そのために子供が出すサインが反抗なのだそうです。 普通の育ち方をしていれば、誰でも 反抗はあります。反抗期は9歳以外にも何度もありますが、その反抗は将来思考を育てる 14歳以降、自立した人間となる21歳以降の時期を迎えるためには通らざるをえない儀式なのだそうです。 反抗期を持たずして大人になった人間はその人生の後半で大きな反抗を起こし、平気でわが子を捨てるような人間になるそうです。 ですから、反抗は必要悪といえるでしょう。

ところで、いくら反抗が大切といっても、当事者の親にとっては嬉しいものではありません。結論からいくと、ここで、オロオロしたり、必要以上に心配してはいけません。 反抗に対抗できるのはユーモアだと先生は述べています。子どもが反抗の態度を示してきたらユーモアでもって対応するのが最も良い方法です。 そして、親がしてあげられることは、しっかりと見守って、「よく、そんな風に反抗できるようになった!」と成長を喜んであげることだそうです。 これは親としては非常に難しいことですが、やはり、そうするべきなのだと心から感じました。 私たちは日々の忙しさの中で、 子供は自分の所有物のように思いがちですが、子供は成長するに従って離れていくものです。 大切にお世話をしているけれども、生まれたときから別の人間です。親は天から預けられた命だと、畏敬の念をもって子供を育てる必要があるということで、 先生の講演は終了となりました。

普段は2時間の講演内容を1時間半でまとめてくださいました福島先生には深く陳謝いたします。 講演終了後のアンケートでは、「また福島先生の講演を聞きたい!」「9歳以降の話を聞きたい」と大好評でした。


▲ページトップ
inserted by FC2 system